2018年12月2日日曜日

IPv6とIPv4が混在すると回線速度が遅くなる?検証結果のまとめ

IPv6とIPv4が混在すると回線速度が遅くなる?
IPv6を有効にしている回線であっても、IPv4接続を使うことができる。IPv6用とIPv4用ルーターをそれぞれ用意すれば、IPv6とIPv4接続を混在させて使うこともできる。

IPv6とIPv4を混在させてインターネットを使うと、回線速度が遅くなるのか検証してみたので、その結果をまとめた。


回線速度の測定の検証に使用した環境
今回の回線速度の測定の検証に使用した環境は、以下の通り。回線については、IPv6オプションを有効にしたBIGLOBE光の回線を使用した。

  • プロバイダー:BIGLOBE
  • 契約回線:BIGLOBE光マンションタイプ(フレッツ光ネクスト隼)
  • 光電話の契約:なし
  • IPv6接続方式:IPoE、v6オプション(MAP-E)
  • IPv4接続方式:PPPoE
  • IPv6ルーター:NEC Aterm WG2600HP3(ファームウェアバージョン:1.2)
  • IPv4ルーター:バッファロー WSR-1166DHP2

ルーターなどは、「IPv6とIPv4を共存させ同時接続する方法 | 普段使いのArch Linux」のページに書いた方法で接続した。

回線速度の測定は、「Speedtest by Ookla - The Global Broadband Speed Test」の速度測定サイトを利用した。回線速度の測定は、何度か実施してその中から最も速度が速かったものを採用した。

IPv6とIPv4を混在させたケースについては、「IPv6接続のみで回線速度を測定した場合」と、「IPv6とIPv4の両方の回線で同時に速度測定した場合」の2通りで回線速度が遅くなるかを検証してみた。

IPv6のみで接続した場合の回線速度
まず、IPv6のみで接続した場合の回線速度を測定した。

IPv4ルーターは使わずに、IPv6ルーターのみ使ってインターネットに接続して、回線速度を測定している。回線図は以下のようになっている。
インターネットコンセント
│
終端装置(ONU)
│
└─ IPv6ルーター
         └─ デスクトップパソコン

測定した結果、ダウンロード速度:421.51 Mbps アップロード速度:322.10 Mbpsであった。

IPv6接続のみで接続した場合

IPv6とIPv4を混在させた場合の回線速度
次に、IPv6とIPv4の2台のルーターをハブ(TP-LINK TL-SG105)で並列に接続して、1つのインターネット回線にIPv6とIPv4を混在させて、回線速度を測定した。

以下のような回線図で、デスクトップパソコンからIPv6接続回線のみ、速度を測定した。
インターネットコンセント
│
終端装置(ONU)
│
ハブ
││
│└IPv6ルーター
│      └─ デスクトップパソコン
│
└─ IPv4ルーター
         └─ パソコン未接続

測定した結果、ダウンロード速度:438.92 Mbps アップロード速度:298.24 Mbpsであった。

IPv6とIPv4を混在させた場合(IPv6接続のみで測定)

IPv6とIPv4を混在させて同時に回線速度を測定した場合
最後に、IPv6とIPv4接続両方で回線速度を測定してみた。

下のような回線図で、「IPv6接続したデスクトップパソコン」と「IPv4接続したiPhone(無線接続)」の両方を使って同時に、回線速度を測定した。
インターネットコンセント
│
終端装置(ONU)
│
ハブ
││
│└IPv6ルーター
│      └─ デスクトップパソコン
│
└─ IPv4ルーター
         └─ iPhone(無線接続)

測定の結果、「IPv6接続したデスクトップパソコン」ではダウンロード速度:351.19 Mbps アップロード速度:151.46 Mbpsであった。また、「IPv4接続したiPhone(無線接続)」では、ダウンロード速度:8.73 Mbps アップロード速度:19.0 Mbpsであった。

IPv6とIPv4で同時測定した場合(IPv6接続のパソコンで測定)

IPv6とIPv4で同時測定した場合(IPv4接続のiPhoneで測定)

回線速度の測定結果のまとめ
IPv6とIPv4を混在すると回線速度が遅くなるのか検証した結果をまとめると、以下の表のようになる。

IPv6とIPv4を混在させているだけでは、回線速度は遅くはならないことが分かった。しかし、IPv6とIPv4のそれぞれの回線の負担が大きくなると、回線速度は遅くなった。

どこがボトルネックになっているのかまでは検証できていないが、ONUなどの機器の処理能力も影響してきている可能性が考えられる。

測定方法 ダウンロード速度/Mbps アップロード速度/Mbps
IPv6のみ 421.51 322.10
IPv6/IPv4混在 IPv6単独測定 438.92 298.24
IPv6/IPv4混在 v6/v4同時測定(IPv6) 351.19 151.46
IPv6/IPv4混在 v6/v4同時測定(IPv4) 8.73 19.0


参考:
[1]IPv6とIPv4を共存させ同時接続する方法 | 普段使いのArch Linux

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